派遣社員として働くにあたり、気になることと言えば「直接雇用ってなれるものなの?」といった疑問ではないでしょうか。
派遣会社を通じて職場へと派遣されるのではなく、自分がその職場の従業員として働くことに興味を持つ人は多いです。
しかし、派遣から直接雇用になるにあたり、「そもそもどんな条件があるのか」「直接雇用のほうがいいのか、派遣のままのほうがいいのか」など、解消しておかなければならない問題は多いです。
今回は派遣から直接雇用について興味がある人へ向け、直接雇用になるまでの方法や、直接雇用のメリット・デメリットをご紹介します。
派遣から直接雇用になるにはどうしたらいい?
派遣から直接雇用になりたい場合、派遣の契約期間満了後に「紹介予定派遣」に切り替えることが近道です。
紹介予定派遣とは、直接雇用を前提とした就業形態のことであり、「いずれ直接雇用として働ける」といった特徴があります。
必ずしも正社員であるとは限りませんが、正社員登用試験に合格したり、交渉したりすることで、正規の社員として入社できるケースも珍しくありません。
派遣から直接雇用のメリット
派遣から直接雇用へと切り替えることで、さまざまなメリットがあります。
派遣社員として働き続けるのではなく、途中で直接雇用に切り替えるメリットは以下の通りです。
契約期間に縛られることがなくなる
派遣から直接雇用へと切り替えるにあたり、まずメリットと言えるのが「契約期間に左右されなくなること」です。
派遣社員として働いていると、最長3年間という契約期間が設けられています。一定期間が経過すると、同じ職場で働き続けることはできなくなり、別の職場で新たに仕事をスタートさせなければなりません。
そのため、「職場が変わるたびに人間関係が新しくなってしまう」「一から業務を覚えなければならない」といった負担があるのです。
しかし、直接雇用されれば派遣社員ではなくなるので、契約期間に振り回されることはありません。
正規社員しか携われない仕事にもチャレンジできる
派遣社員から直接雇用になることで、正規社員しか携われない仕事にチャレンジできるようになります。
職場によっては「正社員しかできない仕事」「社内の人間しか得られない情報」などがあります。派遣社員としては、上記のような状態はやや物足りなさや寂しさを感じてしまうことでしょう。
しかし、直接雇用され、正式に職場内の人間であると認められれば、業務の幅はぐっと広がります。いろいろな業務にチャレンジしてみたい人にとっては大きなメリットでしょう。
待遇面の差がなくなる
派遣社員から直接雇用になると、正社員との待遇面の差が少なくなるといったメリットがあります。
派遣社員と、社内の正規社員とでは立場が異なるので、待遇面で差が生じてしまうことは珍しくありません。
本来、派遣社員と正社員の待遇の差は禁じられていることですが、まだまだ会社によっては待遇が改善されていないところもあります。そういった会社で働いている場合は、直接雇用になることで、待遇面に良い影響が出るでしょう。
派遣から直接雇用のデメリット
派遣から直接雇用になることは、必ずしもメリットばかりとは言い切れません。
ここからは、派遣から直接雇用のデメリットについて触れていきます。
トラブルや問題は自分で対処しなければならない
派遣から直接雇用になった場合、職場とのトラブルや人間関係の問題などは、全て自分で対処しなければなりません。
派遣社員であれば、職場と働き手の間に派遣会社が入ってくれますが、直接雇用となるとそうもいかなくなります。「事前に聞いていた内容と違う」「思っていた仕事と違う」など、仮に不満が生じたら、自分で上司や社長などに交渉する必要があるのです。
勤務条件などが希望通りにならない場合がある
派遣社員とは異なり、直接雇用は、「勤務エリア」「給料」「活かしたいスキル」「勤務時間」などを自由に決められなくなることが多いです。
派遣社員であれば、自分の条件にマッチする仕事を派遣会社に探してもらえますが、直接雇用となると、職場が提示するルールに基づいて勤務しなければなりません。
人によっては「自由度が減った」「派遣社員の頃のほうがラクだった」と感じることもあるでしょう。
仕事を辞めにくくなる
派遣社員から直接雇用になると、仕事を辞めにくくなると感じる人が多いです。
万が一、上司などからパワハラを受けても、「仕事があるから…」「簡単に転職できないから」と退職に抵抗を感じることが増えます。
派遣社員であればすぐに次の仕事を紹介してもらえることを考えると、直接雇用にもリスクはあると言えるのではないでしょうか。
派遣から直接雇用は慎重な検討が重要
正規の社員になることに対して魅力を感じる人は多いです。しかし、魅力的なメリットがある一方でデメリットもあるので、派遣から直接雇用は慎重に検討しなければなりません。
「派遣から直接雇用に切り替えたい」と考えている人は、本ページを参考にしながら、メリット・デメリットの両方の理解を深めたうえで検討してみてください。